要介護認定を受けるための訪問調査とは?流れ・内容・準備のポイントを徹底解説
親の介護が必要になったとき、まず最初のステップとして行うのが「要介護認定の申請」です。そして、その認定を受けるために欠かせないのが「訪問調査(認定調査)」です。この記事では、訪問調査とは何か、どんな内容が調べられるのか、当日の流れや注意点について、初めての方にもわかりやすく解説します。
訪問調査とは?要介護認定の大きなカギ
訪問調査とは、市区町村の職員または委託された調査員が本人の自宅や施設を訪れ、心身の状態を直接確認する調査のことです。
この訪問調査の結果は、介護認定審査会での判断材料となり、要介護度の決定に大きな影響を与えます。
✅訪問調査の目的
要介護認定に必要な「一次判定」の基礎データを集めるために実施されます。
認定調査票という標準化された調査項目に沿って、調査員が聞き取りと観察を行います。
訪問調査の対象者とタイミング
訪問調査は、要介護認定を申請した本人(=被保険者)を対象に行われます。
申請後、概ね7日以内に日程調整の連絡があり、1~2週間以内に実施されるのが一般的です。
なお、本人が入院中や施設に入っている場合は、その場所まで調査員が訪問します。
調査当日の流れ
①事前連絡と日程調整
市区町村や調査委託先から連絡があり、訪問日時を決めます。家族やケアマネジャーが同席できるよう調整しましょう。
②訪問・挨拶・説明
調査員が訪問し、調査の目的や内容を説明します。
③聞き取りと観察
認定調査票に基づき、次のような項目を確認されます。
- 身体機能・動作(歩行、立ち上がり、階段の昇降など)
- 生活機能(食事、排泄、着替えの自立度など)
- 認知機能(日時の認識、短期記憶、理解力など)
- 精神・行動障害(暴言、徘徊、異常行動の有無など)
- 社会生活(他者との交流、外出の頻度など)
加えて、特記事項として調査員がその場で感じたことや家族からの補足情報を記載します。
④所要時間は約1時間
調査そのものは30分〜1時間ほどで終わりますが、家族からの説明時間も含めて余裕を持ちましょう。
訪問調査で見られるポイントとは?
訪問調査では、「普段の生活でどれくらい介助が必要か」という視点で評価されます。そのため、以下のような点が重視されます。
- 実際の生活場面(移動、食事、トイレ)でどれくらい支援が必要か
- 本人の受け答えや理解力に問題はないか
- 家族がどれほど介護を担っているか
- 本人が「できる」と言っていても、それが実際どうか(過少申告に注意)
家族ができる準備とアドバイス
訪問調査の際は、家族の同席を強くおすすめします。本人が自分の状態を正確に伝えられないことがあるからです。
家族が準備しておくと良いこと:
- 本人の普段の様子や困っていることをメモにまとめておく
- 医師の意見書や服薬情報があれば整理しておく
- 調査時に、必要な介助の頻度や内容を具体的に伝える
また、「できること」よりも「できないこと」「支援が必要な場面」を正直に伝えることが大切です。つい本人の前で言いにくい場合は、メモを渡す形でも構いません。
訪問調査後の流れ
訪問調査が終わると、調査内容はコンピュータで一次判定され、医師の意見書とあわせて「介護認定審査会」で最終的な要介護度が決まります。認定結果は、通常1ヶ月以内に郵送で届きます。
まとめ:訪問調査は介護の第一歩
訪問調査は、要介護認定を受けるためのとても重要なステップです。
調査の結果によって、受けられる介護サービスや支援の内容が大きく変わります。
不安を感じるかもしれませんが、事前に準備をし、家族がしっかりサポートすれば安心して臨めます。
介護が必要かもしれない…そう感じたときが行動のタイミングです。
早めに申請し、訪問調査を受けることで、必要な支援をスムーズに受けられるようになります。
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💬 訪問調査を受けたことがある方へ! 実際にどんな質問をされたか、どんなことに困ったか、ぜひコメント欄で教えてください!
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